丸尾長顕 『芦屋夫人』
●「芦屋夫人」(あしやまだむ).......[寝取られ]
童貞臭い(※1)成年男子がマダムに飜弄される御話。
●「桃」......[人形][荒神][電波][授乳プレイ]
男性彫刻家が、或る女性との出会いを通じて人形作りを志す御話。
●「三味線濫觴」(しゃみせんはじめ)......[寝取られ][盲/盲]
男性盲者が三味線を創りだすまでの御話。
●「陽気な船乘り」
●「ルーチン教授とお花さん」
男性音楽講師の密かな恋心が、女性の"結婚"により潰える御話。
●「気紛れ天使」
●「変な女」......[魔性の女]
男性ボクサーが或る女性に惚れ込んで身を滅ぼす御話。
以上、全7章。
【総評】
あまり面白い一冊であるとは言えない。「桃」、「三味線濫觴」については短篇としてそれなりに興味深いものの、全体としては高評価できない。"発禁本"と云う言葉に惹かれる方なら多少は楽しめるかもしれませんが、そのくらいの有用性しか無いだろうな。
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※1
経験の有無ではなく、女性に対する余裕のなさを「童貞臭い」と呼称している。いや、丸尾氏の作品にはそのような男性が多いように見受けられるのだが。