『東晋詩訳注』より抜粋

【目次】
http://rnavi.ndl.go.jp/mokuji_html/000002335316.html
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●荀祖「七哀詩」
轍兮轍兮 何其寂蔑


轍よ轍よ 何ぞ其れ寂蔑なる
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●李顒「離思篇」
烈烈寒氣嚴 寥寥天宇清


烈烈として寒氣嚴しく,寥寥(れうれう)として天宇清し

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●同「詩」
焦肺枯肝 抽腸裂膈


肺を焦し肝を枯らし 腸を抽き膈(むね)を裂く
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●郗超(ちちょう)「答傳郎」
(中略)
何以融之,本际已无。即心既尽,触族自虚。
(中略)

何を以て之を融かん、本际已に无し。即ち心既に尽くれば,触族は自ら虚し。
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●王義之「答許エン诗」※手偏に碌の旁
争先非吾事 静照在忘求


先を争うは吾が事に非ず 静照して求を忘るるに在り
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●王豊之「蘭亭詩」
肆盻巖岫 臨泉濯趾
感興魚鳥 安玆幽跱


巖岫を肆(ほしいまま)に盻(み) 泉に臨みて趾(あと)を濯う
魚鳥に感興し 居に安じて幽(しづ)かに跱(とど)まらん

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●符朗「歌」
造化労我以生 休我以炮烙


造化は我を労するに生を以てし、我を休するに炮烙を以てす

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●王斉之「念仏三昧詩四首 其三」
神質天凝 円映朝雲
与化而感 与物斯群
応不以方 受者自分
寂爾淵鏡 金水塵粉


神は天凝に質(と)り、円にして朝雲に映ず
化と与にして感じ、物と与にして斯(ここ)に群がる
応ずるに方を以つてせざるも、受くる者 自ら分かつ
寂爾(せきじ)として淵に鏡(て)らせば、金水は塵のごとく粉(みだ)る
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